心が風邪をひいた日/太田裕美
2017年 04月 28日
心が風邪をひいた日
NHK-BSで放送された番組。なんとも凄い番組だった。実はもう4回観た。リアルタイムでは見れなかって夜中になって初回を見出したのだがもう初っ端から涙腺崩壊プラス全身鳥肌であった。この番組を企画した人をぼくは永遠に尊敬するであろう。
ぼくはこのアルバムが出た当時は高校生で完全にリアルタイムで聴いていた。その当時は日本の音楽なんてろくなもんがないって思っていてロックやブルースしか聴いてなかったしギターは歪んでいないとギターでないなんて思っていた。だから周りの奴らがなんとかのアイドルがどうのこうの言ってるのには完全にガキ扱いしていた。
でもだ、ミーハーでギターをやってるぼくのような奴にはピアノを弾いてる女性には完全に奴隷になってしまう。クリス松村が言っていたが「ロングドレスでピアノを弾いてるお嬢さん」これが太田裕美に完全にあてはまる。
そしてなんとなくどの曲も素直に聴けてしまうそれが不思議だった。実はぼくは太田裕美のデビューアルバムか好きだった。何がきっかけで知ったのかは憶えてないけどデビュー曲の「雨だれ」なんて綺麗な曲だなあってずっと思っていた。
つまり、太田裕美しかいなかったのだ。アイドルとか暗ーいフォークなんて聴きたくない。しかし、ミーハーな高校生の男の子はやっぱり女の子が気になる。そこにピアノを弾いてる清楚なお嬢さんが出てきた。もうメロメロになっても許されるでしょう。
歌い方でも話題に出てたけど裏声のイメージが強いけどぼくは地声にかなりのパワーがあると感じていた。所々で強烈な声量で発せられる地声にドキッとしたもんだ。いろんな曲で表でもない裏声でもない発声ってのがあるのがどうしても不思議だった。
「袋小路」って曲は荒井由実の作曲。以前他のBSの番組で松本隆の特集をやっていてその中で太田裕美が「袋小路」を歌った。イントロが流れてきてそこでも完全に涙腺が崩壊した。彼女がピアノを弾いていたのだからどうしようもない。
そうそう、CSNYが最初はツェッペリンだったなんてのは初めて知った。やっぱりウッドストックにはCSNYでしょって感じだ。この曲でもクリス松村が69年のって言っていたがやっぱり同世代だなって感じる。この曲の最初に「赤毛のアン」が出てくるけど、その当時ぼくにはそんな本は男は読まないって思っていたからどうもウッドストックと赤毛のアンが結びつかなくて不思議な感じがした。
「木綿のハンカチーフ」のアルバムとシングルとで歌詞が違うこと。すっかり忘れていたけど同じように太田裕美を好きな奴らとはなんで違うのかってことを話してたのを思い出した。そしてアルバムとシングルとではアレンジが違う。ぼくはアルバムバージョンのアレンジが好きだけど改めて聴くとシングルバージョンもやっぱりいいと思う。テレビではほとんどフルコーラスを聴くことはなかった。酷いのになるとワンコーラスと最後のサビだけなんてのもあった。その当時は4分近い曲は長かったのだろう。でもよく出したと思う。それをできる環境にあったってのも凄いことではないだろうか。いろんな人が頑張っていたのだろう。
もうほんとになんど見ても感動してしまう番組なんだけど、松本隆がこのアルバムで作詞家松本隆が完成したってとこでマジに大量の涙が出てしまった。そしてその時代をリアルタイムで体験したぼくはなんと幸福だったかと思う。
by covaemon
| 2017-04-28 21:33
| 音楽
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