好奇心旺盛だから、内容は支離滅裂。

by covaemon

「理由」が直木賞をとった理由。

直木賞といえば、東野圭吾氏がついに受賞した。
会見をテレビで見たのだが、ものすごくうれしそうだった。作家さんとかって「おれには賞なんて関係ないわい」なんてのかなと思っていたのだがあんがいそうではないのかもしれない。それだけ直木賞を受賞すると言うことは名誉な事なのかもしれない。
それに、「もうおれを落とせなくなってくやしいだろ」みたいなことを言っていた。なかなかいいコメントだ。それに、東野氏は大阪出身なのである。贔屓にしなければ。もっとも東野氏の作品はまだ読んだ事はない。

さてさて、「理由」だが、なかなか頁が進まなかった。どうもよく理解できなかったのだ。今まで読んだものとはかなり文体が違うようなに感じた。それに、基本的にすべてが過去形に語られている。ちょっと違和感。

そして、こんなことを感じたのはぼくだけだろうとは思うのだが、「宮部さん、もうちょっと登場人物を減らしてよ」って思いながら読み進めていたのだ。あんまりたくさん登場するとぼくの頭ではすべてを記憶できなくなってしまうのである。

この小説も犯人探しや謎解きなどあまり重要ではないと思う。これは「家族」というものが人間にとってどれほど重要かを考えさせてくれる話ではないだろうか。

人間が生まれて最初に体験するコミュニティは家族だ。その家族の環境がその人間の人物形成にどれだけ影響を及ぼすか。その環境にはその土地や、家や家族構成も含まれるだろう。

そして、家族は自分にとって一番大事なのだろうか。そうではないのだろうか。よく男は世帯主になって子供もできて「おれは家族を守る責任がある」なんてよく言うが、その責任というのはどれほどのものなのか。

その責任に耐えられなくなる人もいるのだろう。そのような人は個人があって、家族がある。とは考えないで、家族のなかに自分がいる。家族なしでは自分は成り立たないと考えているのかもしれない。その反対に自分がいなければ家族は成り立たないと、考えなければならないのではないだろうか。

つまり、人間はいろんなものに理由をつけながら生活を送っている。今こうしているのはこれこれこういう理由があってここにいるのだ。ということか。よくわからない。

しかし、この小説は直木賞を受賞した。直木賞の選考基準と言うものをぼくは知らないが、「火車」が受賞できなかったとき「これで獲れなかったらどうすれば獲れるのだ」という意見があったらしい。

「火車」と「理由」を比べてみて(ちょっとおこがましいが)、素直に引き込まれて読むのを止められなくなるのは間違いなく「火車」。文句なしの傑作だ。そしてじっくり内容を吟味していろんなことを考えながら読んでいけるのが「理由」だろうか。

当然、双方ともおもしろい、機会があればもう一度読んでもみたい。
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by covaemon | 2006-03-06 14:27 | 書き物 | Trackback | Comments(4)
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Commented by apple-of-1000 at 2006-03-06 23:29
「理由」はまだ読んだ事が無いんですけど(^-^;「火車」は、本当におもしろい作品ですよね。財前直見主演でドラマにもなってましたけど、そちらも原作に忠実な感じで、良かったです。かなり前ですけど(笑)
直木賞、芥川賞は、選考するときにいろいろな要素が絡んでくるものだと、何かで読んだ記憶があります。作品だけの問題じゃなくて、社会情勢とのバランス、とか(^-^;
文壇・・というところはいろいろ複雑なようです。
村上春樹も、受賞してませんし。山田詠美も、芥川賞じゃなくて直木賞での受賞、でしたしね・・。
私は今、東野圭吾の直木賞受賞作「容疑者Xの献身」を読んでます。東野圭吾の作品はわりと好きなので。「超・殺人事件〜推理作家の苦悩」とか「毒笑小説」あたりはいかがでしょうか?宮部みゆきの作品で言うと、「長い長い殺人」に似たタイプの作品かな?と私は思ってます(^-^;おもしろかったですよ〜♪
Commented by とと at 2006-03-06 23:51 x
ついに読んじゃいましたかぁ~(*^^*)

私は先にドラマでストーリーを知っていたので,迷うことはなかったけど,先に本を読んだら,多分,時間がかかったと思う.時間の流れを追っかけながら読んでいくだけでも骨が折れるのに,ひとつのストーリーを複数の登場人物が語るので,物事を両面から何回もなぞりながら本当のストーリーを読み取っていく作業は,たしかに疲れそう・・・(^。^;) 筆力がなきゃ,書けない作品だと思います.

この作品,直木賞をとっていたんですね.知らなかった.
私は芥川賞作品より,直木賞作品のほうが好きです.東野圭吾作品にはかなり興味があり,だいぶ前に一度読んだんだけど,それはいまひとつでした.でも今,図書館で『白夜行』を予約しています.楽しみ~♪・・・19人待ちだけどね.
Commented by covaemon at 2006-03-07 10:30
apple-of-1000さん。
「火車」はほんとおもしろい。これ以上のものってあるのでしょうか。
「容疑者Xの献身」はオール読物で抜粋ででてましたので、今読んでます。この本には京極夏彦との対談などあって興味深いです。でもこの本の印刷ってとんでもですね。30年ぐらい前のものみたいに感じられます。
Commented by covaemon at 2006-03-07 10:39
ととさん。
はい、読んじゃいました。本が溜まるばっかりです。古本だし、文庫ばっかりだけど。
これ読んでると「男って情けないようなあ」と思ってしまいます。どうしても男は逃亡したがるものかもしれません。
一つのストーリーをこっちからとあっちから攻められてきてもう頭の中はわけわかめ状態になってました。